ABOUT
創業大正8年、
福岡県筑後市で約100年
天然藍染、手織りで一本一本、
伝統を守りていねいにつくり続ける
福岡県南部の筑後地方は九州最大の流れ、筑後川によって育まれる自然豊かな農村地域としておだやかに発展してきました。そんな風土にある池田絣工房は、創業から約100年、天然藍染、手織りにこだわりながら地域の織元や職人さん、家族たちと力をあわせて産地と伝統を守ってきました。
手織りならではの
布の風合いにこだわりながら、
しなやかに織っていく
3代目の光政夫妻と4代目の大悟夫妻を中心に、その他職人さんや布を織る織子さんは約9名。それぞれの持ち場でコツコツと、現場を守りながら、今できること、ご依頼いただいているお客様に真摯に向き合いながら日々製作しています。
布の風合いを最大限出せるよう、熟練の職人による手織りにこだわっているので、機械織りでは出せない生地の柄の独特な“ずれ”や“にじみ”をお楽しみいただくことができます。
これからの産地の未来のために
できることを
現在から50年前は、久留米絣を手がける機屋が120社あったという筑後地方。しかし、今は6分の1の20社にまで減少してしまっています。この産地を守るためにできることをみんなで知恵を出し合い力を合わせて、ひとつひとつ乗り越えていかなければなりません。この伝統と技術を未来に残し、新しい可能性を広げるために、様々な方と関わりながら日々しっかりとていねいなものづくりをこれからも続けていきます。
SHOP
機織り工房に併設された店舗で
商品をご購入できます。
機織り工房の隣には広々とした店舗があり、たくさんの手織りの反物やハギレの他絣製品、藍染製品を販売しています。隣の工房で織子さんが実際に布を織る様子を見て、機織りの音を聞きながらお買い物ができます。
特にハギレについて、手織りの生地は希少でなかなか手に入りにくいため人気があり、手芸をされるお客様はわざわざ探し求めてご来店いただくこともあります。ぜひご来店いただきお買い物をお楽しみください。
MAKER
互いに寄り添い、助け合い、
いろんなリズムで織っていく
- 久留米かすり 池田絣工房 四代目
- 池田 大悟DAIGO IKEDA
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伝統と技術を継承し
産地を守るために挑戦を続ける
池田絣工房の四代目として、これまでの久留米絣の伝統を守り、生まれ育ったこの産地の未来を創っていくこと。そして、周りの仲間と一緒に新しい挑戦を続けていくこと。生まれ育った筑後地方の風土に日々向き合いながら、しっかりとよいものを地道につくり続けることが最も大切だと感じています。
この伝統と技術をこれからも文化として未来に残してくために。日本はもちろん世界の人たちにも魅力を深く知ってもらい、生地としての素晴らしさを感じてもらいたい。そのために、家族や仲間、周りの織子さんや地域の職人さんと力を合わせて、久留米絣のこれからの新しい価値を創っていきたいと考えています。
PROFILE
- 福岡県筑後市で、藍染手織りの久留米絣を100年以上織り続けてきた織元の4代目。大学卒業後は明太子のやまやで営業マンとして従事、その後タオルメーカーの伊澤タオル(株)に転職して商品開発、品質、工場管理など行う。伝統的な久留米絣の布を次世代に残していくべく、生産体制や販売の仕組みの更新にも取り組み、伝統にとらわれず様々な取り組みを行っている。
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久留米かすり 池田絣工房 三代目
重要無形文化財 久留米絣技術保持認定者 - 池田 光政MITSUMASA IKEDA
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時代に合わせて変化し
久留米絣の可能性を広げていく
私がこの業界に入ったのはおよそ50年前。当時は久留米絣を手がける機屋が120社ありました。しかし、今は6分の1の20社しかありません。その一番の原因は、時代に対応できたか、どうか。伝統を継承していくことはもちろん重要ですが、時代の変化に対応していくことが最も重要だと考えています。やはり、つくっても購入してくれる人がいないと産業としてなかなか続かない。そうでないと、その伝統も、そして産地もなくなってしまうことになりかねません。そのため、池田絣工房では伝統を継承し守りながら、時代に合わせて久留米絣の可能性を広げるため、常に変化して、柔軟にご要望にお応えしていきたいと考えています。
- 「重要無形文化財」
久留米絣技術認定工房として - 日本では、歴史上または芸術上価値の高い無形の「わざ」について、保存伝承のため特に重要なものを「重要無形文化財」として指定しています。久留米絣は1957年に、木綿では初めて、国の重要無形文化財として指定されました。指定要件が無形の「わざ」そのものであるため、その「わざ」を高度に体現している人または団体を、保持者または保持団体として認定しています。
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- 平成26年度 結
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- 平成28年度 里の秋
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- 平成30年度 散歩道
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- 令和2年度 春の目覚め
PROFILE
- 1952年生まれ。100年以上に渡り、久留米絣製造・販売をする『池田絣工房』の3代目代表。22歳から家業の久留米絣製造に従事し、24歳の時に重要無形文化財久留米絣技術伝承者に認定。63歳の時には重要無形文化財久留米絣技術保持者に認定される。同年より久留米絣協同組合理事⻑に就任し、日本中に久留米絣の素晴らしさを伝え続けている。
- 久留米かすり 池田絣工房 プロデューサー
- 池田 美智子MICHIKO IKEDA
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重要無形文化財・機織り
技術保持者として
クリエイターを支えて価値をつくる
池田絣工房のプロデュサーとして管理や製作などを行っています。重要無形文化財・機織りの技術保持者として、機織りはもちろん、製作全体の進捗管理、織子さんたちとの詳細な部分でのコミュニケーション、お客様からの問い合わせ対応など、幅広い工程に関わっています。さらに、機織りの技術を活かして、洋服や小物などの製品製作も行っています。商品は機織り工房に併設された店舗でご購入できますので、ぜひお気軽に当工房にいらしてください。池田絣工房の布を使うクリエイターの一人として工房などもご案内させていただきます。
PROFILE
- 1978年に池田光政と結婚。何も知らないところから絣づくりを始める。平成元年に重要無形文化財久留米絣技術伝承者に認定。令和二年に重要無形文化財久留米絣技術保持者に認定される。独自の発想で絣のデザイン、洋服などの製品プロデュースも行っている。
- 久留米かすり 池田絣工房
プロデューサー/ディレクター - 池田 清香SAYAKA IKEDA
- 久留米絣の魅力を知ってもらうためにできることをひとつひとつ
江戸時代から続く久留米絣の伝統を守り、ていねいにつくられた布の魅力をみなさんに知っていただくため、ディレクター兼プロデューサーとして、母の美智子さんに様々なことを教わりながら織りをはじめ製作全体の進捗などの管理を行っています。その他、各種媒体の取材や見学、問い合わせの対応もしながら、なにより工房のみなさんが働きやすい環境を整えるため、笑顔のあふれる職場であり続けるために、雰囲気づくりをとても大切に考えています。工房は随時見学も可能ですし、機織り工房に併設された店舗では久留米絣の商品をご覧いただき購入もできますので、ぜひ当工房にいらしてください。
PROFILE
- 千葉県出身。タワーレコードや英会話スクールのマネージャーとして勤務後、結婚を機に久留米かすり池田絣工房の業務に携わる。日々、糸仕事や機織り修行、お客さまとの対話などを通して、久留米かすりの偉大さを実感している。たくさんの方に絣生地の万能さを日常で身近に感じていただけるよう努めている。
布を織る⼈たち
元々久留米絣は農閑散期の仕事の合間に自宅にある機織り機で布を手織りしていたのがはじまりです。池田絣工房では、伝統的な技術を継承するために合計12機の機織り機を設置し、地元の女性を中心に、互いに切磋琢磨しながら技術を高め合い、楽しく布を織る独自のスタイルで生産量を維持しています。工房の様子は店舗から見ていただくことができますので、機織り機の独特のリズムと織子さんたちの真剣な表情をご覧いただけます。